banbr's blog

ネコとちょっと古いクルマ。最近はアルファ147 と一緒です。

時価額を超えるので修理できません。

事故より数日。相手の保険会社から電話が掛かってきて、「修理の見積りが時価額を超えるので全損扱いとなり修理できません」と言ってきました。(以下長文)

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がびーん∑(゚Д゚)
保険会社の第一声を聞いて思い出しましたが、これは古いクルマにつきまとう経済的全損といわれるケースです。加害者は超過特約に加入していなかったようです。

 

全損告知は初めて経験すると結構腹が立ちます。世間で保険会社に怒ってる人はたいていこの問題、と言っても過言ではない...気がする事案です。

  

そもそも全損とは... 

ご存知の方も多いと思いますが念のため「全損」についてばっくり説明しますと事故における全損には2種類あります。ひとつは文字通りぐっちゃぐちゃの「物理的全損」、もうひとつは保険会社が修理・賠償できませーんと言ってくる「経済的全損」です。

「経済的全損」は大事故でなくてもちょこちょこ発生するケースで「大破した訳でもないのに何で?!」って思うことがほとんどだと思います。これは保険会社がお金の帳尻が合わないことを理由に言い出す処理で、何と何の帳尻か、というと修理代とクルマの時価額です。基本的に保険会社の賠償はクルマの価値を事故直前の価値に戻すことを建前としているので、修理代がクルマの時価額(価値)を超えると釣り合いが取れなくなって修理ができない=全損と言ってくるのです。

 

保険会社は挨拶がわりに
ダメもとの条件を提示する

しかも保険会社が査定する時価額は「減価償却」的なもので毎年半額になり続けたり、変なあんちょこ本を元に査定したりして非常に低いです。

保険会社だって景気良く払ってばかりだと自社の利益を圧迫しますから査定額には当然低いものを採用します。しかし被害者としてはクルマの流通価格と大きくかけ離れているので、廃車だ時価額だと言われても、そんな金額では次のクルマを買うことができません。保険会社のデフォルト理論でいくと被害者は追い剥ぎにあったようなもので、泣くかモメるかの二択を迫られます。

古いクルマほど保険屋の時価査定は加速的に下がりますので、この問題は顕著です。ちなみに保険会社の初期設定では、クラシックカーやビンテージカーであってもまずは無知なフリして「古い中古車扱い」で連絡してきますので、彼らの「論拠」を知らないとびっくりします。
こうした保険会社のファーストコンタクトは、はっきり言って「ダメもと」の域に達しており、向こうもまさか被害者がすんなり了承するとは思っていない筈ですが、さも揺るがしようのない口調で「できません」「仕方ありません」などと言ってきます。

 

時価額以上の補償はしてくれないので
時価額について考える

ここから交渉を開始しますが、論点を間違えると遠回りをします。

法的な根拠もあり保険屋はまず時価額以上の賠償に応じません。

ここを詭弁で変えることはできません。

 

ではどうするかというと、時価額について話し合います

そもそも保険会社の時価額査定は「あくまでひとつの見解に過ぎない」という泣きどころがあるので、ここを押さえます。

 

話し合い(交渉)によって時価額が見直されたとしたら、状況は経済的全損から覆ります。「時価額(大)」>「修理代金(小)」となるので、保険会社は自社の言い分に従って時価額以内の賠償をすることとなり、自動的に全ての理屈と問題が解決します。
実勢価値に見合った賠償なら受け入れて買い換えるか、修理するかの現実的な判断もできようというものです。

 

自分の主張は
自分で裏付ける必要がある

僕の感覚では今回の事故は軽微な物損に過ぎないと思うので修理でなんとかしたいです。車両の買い替えは時間もかかるし面倒です。
では実際に時価額を見直させる=ひき上げるために何をするかですが、それは情報収集です。ぶっちゃけ今は全てネットで揃います。


 必要な情報は

  1. クルマの実勢価格と諸経費の実例
  2. 補償範囲に言及した判例

  の2つです。

 

  1. はネットで自分のクルマに近いやつを調べて、ついでに平均値も出しておきます。2〜3件見積りを取らせてもらうとなお良いです。
    これは保険会社が算定した時価額と流通価格に乖離があることを証明する資料になります。こんなの調べればすぐ判ることですが、こちらが提示しない限り保険会社は知らんふりしています。
  2. は先人たちが訴訟を起こしており、「賠償は実勢価値に沿った額を、通常の範囲において買い換えに必要な経費も含む」って趣旨で保険会社が支払いを命じられた判例がネット上にありますので、訴訟番号と主文を控えておきます。
    こちらの資料は賠償というものがクルマの流通価格と釣り合い、取得にかかる通常の費用も含むという解釈が認められていることの証明になります。これについも、こちらが言わない限り保険会社は知らんふりです。

 

なぜ保険会社が知らんふりするかと言うと、彼らにそれを証明する義務がないからです。こちらに大事なことでも向こうの利益にならないことや義務のないことは全てスルーです。どんな虫の良い条件でもこちらがOKしてしまうと保険会社は「相手が了承した」として処理してしまいます。当たり前のことですが保険会社のクライアントは加害者なので、被害者の利益のために何かをしてくれることは一切ありません

 

逆にこちらの主張が妥当であることを主張しようとするなら、その証明義務はこちらにありますので、必要な情報は自分で集めて提示するという訳です。

 

こちらの主張と要求を伝える

1.2.を根拠に敵の電話より先に仕掛けます。

  • 同等車の流通価格と取得費用を調べてみたところ...
  • 流通価格に御社査定の時価額との著しい乖離を確認して驚いた。
  • 驚いたので流通価格が判る参考見積りを取ってみた。
  • その結果、御社提示の査定額に疑問を抱いた
  • さらに判例で認められている買い替え諸経費が勘案されていないことにもびっくりした。
  • 以上のことを間違いのないように書面にした。

ので...

  • 時価額査定に関する御社の根拠について説明してほしい。
  • 口頭では判らない上、検討できないので御社査定の見積り書をいただきたい。
  • 買い替え諸経費を除外している根拠を説明してほしい。
  • 工場との修理協定の内容と見積り書を見せてもらいたい。

などとプッシュします。

のんびりやってたらそのうち諦めるかも...なんて思われたら面倒なので、回答の期限も定めます。期限内に回答できない場合は、円満解決に向けて重要なことのでいつ回答するのか返答するよう協力を依頼します。

 

あっけなく解決

長々と書きましたが、こうしておくと次のターンであっけなく円満解決します。
どういうことかと言うと、保険会社が個々の質問に答える代わりに修理OKの結論を出すからです。もちろん代車を含めて費用は全て保険会社持ちです。

いちいち返事はしないが修理を認めるからお開きに、という意味なんでしょうか。

出すとなったら早いです。一足飛びですが無駄がなくて良い対処だと思います。

 

多分、保険会社としても1件のやりとりに手間かけるより、次々処理しないとそのことが却って企業としての損失になるので、賠償金額と処理に要する時間のバランスで「この事案は切り上げて次行こう!おつかれ!」みたいな感じなのかなと思います(真相は知りません)

相手はプロなんで理屈と筋が通っていれば「裁判にしてくれ」とか「査定は変えられません」とか意固地なことは言わないようです。

 

こんな感じで保険会社の全損電話から修理にGOが出るまで3日でした。

修理着手の連絡は保険会社より工場からの方が早かったです。七夕には作業が終わる予定と言っていました。

安心して残りの代車生活を楽しみたいと思います。

 

ただ実際のところ、早々に切り上げて修理を決定してくれた保険会社は優しいと思います。企業対個人で長引くとしんどいのは個人の方なので。

※記事は専門家でない個人の見解と保険会社の対応の一例です。